
自動化ツールの中でも、RPAは特にルーティン業務との親和性が高いと言われています。
- 自動化に適したルーティン業務とは
経理・総務・人事・事務など多くの部署のルーティン業務でRPAは活用されています。
例えば営業事務では申込書入力・経費申請・見積り作成、総務では支払い処理・セキュリティーカード設定・決済情報の集計・分析などが挙げられます。
全体としては大企業での活用が目立つものの、年々深刻化が進む人材不足に危機意識を持ち、他社との差別化を図ろうとする中小企業でも導入が進んでいる状況です。
矢野研究所による調査では、製品・サービスを含むRPA市場が2022年には800億円規模に達するとの予測がなされています。
注目すべき点は、毎年成長し続けている伸び率と、関連サービスの拡大です。
RPAはその性質上、導入して終わりというシステムではなく、導入後に従業員それぞれが自分の仕事を効率化するために役立ててこそ意味があります。
そのため、導入企業の運用をサポートする「教育」「コンサルティング」「シナリオ代行開発」「技術的なスキルを有する人材の派遣」といった、RPAに関連する新たな形のビジネスが市場を急成長させる大きな推進力になっているのです。
世界3大コンサルティング企業であるマッキンゼー・アンド・カンパニーでは、「2025年までに全世界1億人以上の知的労働者、もしくは仕事の1/3がRPAに置き換わる」と予測しています。
米国の調査機関TMRの調査でも「2024年には約1.9兆円の市場規模まで拡大する」といわれており、世界的にもRPAを活用した働き方へとシフトしつつあるのです。
- RPAを使ったルーティン業務の効率化を進める前に
RPAを導入する際には、自動化を想定している業務そのものの標準化が必要になります。
日々実施するルーティン業務であっても、しっかりとルール・フローが整備されていないために属人化していたり、形骸化してしまった業務プロセスが多発していたりするケースがあります。
従業員によって手順が異なり、効率に一定以上の差が発生してしまう場合には、たとえコストを掛けて能力の高いRPAを導入したとしても自動化は難しくなってしまうのです。
業務効率化のための改善と同様に、ある程度ルーティン業務の洗い出しや簡素化を行い、不要なフローを極力減らしてから導入を進めていきましょう。
2つ目のポイントは、導入するRPAがユーザー自身の手で用意に設定変更を行えるか、あらかじめ見極めておくことです。
RPAが実行する作業は、連携するシステムやアプリケーションの更新や、作業内容の変更などの要因によって、頻繁にカスタマイズが必要となります。
しかし、RPAツールの中には、プログラミング言語を使用しなければそういった設定ができないものもあるため注意が必要です。
このようなRPAツールを導入してしまうと、変更が発生するたびにベンダー企業・エンジニアなどへ設定変更作業を委託しなければなりません。これでは想定以上のランニングコストが発生してしまいます。
重要となるのは、難しい知識を必要とせず、現場の従業員が直接設定を変更することが可能なRPAツールを選ぶことです。
実際にRPAを導入する前に無料トライアルなどを利用してもらい、現場の従業員から操作性に関するヒアリングを実施しておきましょう。