
2018年のMM総研の調査によると、大企業ではすでに約4割がRPAを導入済で、大企業全体の7割が導入に前向きとの結果が出ています。
しかし、従業員数が100~999名の中堅企業でRPAを導入済の企業は17%、従業員数が1~99名の中小企業は3%と少ない数字になっています。
さらに、中小企業では1.5割程度しかRPAに対して積極的な意見を持っていません。加えて、国内の企業の99.7%が中小企業というデータもあります。
RPAに前向きな姿勢が大企業と中小企業では大きく異なるのはなぜでしょうか。
- なぜ中小企業でRPAの導入が進まない?
中小企業でRPAの導入が進まない理由は主に3つあります。
1.RPAの導入および運用費用が高額であることです。
多くのツールは最低でも年間数十万円、高いものになると数千万円のコストが発生します。
また、自社の業務を自動化するためにオリジナルのソフトウェアロボットの開発を外注する場合は、さらにコストが掛かります。
大企業ならばある程度の資金力があるので、長期的なメリットを踏まえたうえでRPAの導入に資金を回すことができるでしょう。
しかし、中小企業の場合は資金力がない場合も多く、またRPAの導入に対応する人員を確保するのが難しいという側面があります。
さらに、RPAの導入・運用に失敗した時のリスクを考えて導入に二の足を踏んでしまう中小企業が多く、大企業ほど積極的にRPAを活用する動きが進まないのが現状です。
2.中小企業においては費用対効果が低い傾向がある点です。
大企業は元々の業務量が多いため、業務種別も多く、RPAで代行できる業務も見つかりやすい傾向があります。
そのため、1つの業務をソフトウェアロボットに代行してもらう際も、業務量を横展開ができる可能性が高く、費用対効果を得やすいという特徴があります。
一方、規模が小さい中小企業は基本的に業務種別が少ないうえに、横展開する必要がないケースが多く、費用対効果が得られにくいという特徴があります。
3.運用・保守が難しいことです。
一般的な大企業には、社内のシステムを一元管理する情報システム部がありますが、中小企業には情報システム部がないことも多いです。
そのため、社内サーバーやネットワークなどのITリテラシーを持つ社員がおらず、RPAを導入するための環境整備やインストール作業などを内製化できないという課題を持つ中小企業は珍しくありません。
このことから、RPAの導入・運用自体が中小企業では難しいというイメージがあるようです。