
「RPA人材」とは、RPAに関する正しい知識を持ち運用できる人材のことです。
せっかくRPAを導入しても適したRPA人材が配置されていなければ、効率的に活用することはできません。
RPAは人材不足解消の役割を果たすはずなのに、さらに人材が必要ということは矛盾してしまいます。
RPA人材がいるからこそ、RPAを効率的かつ継続的に正しく活用できるのです。
ここでは、RPA人材の需要やその役割について解説します。
- RPA人材の需要急増中
人材会社ビズリーチは、2018年11月20日、RPAに高い専門性を持つ人材の需要が転職市場で急拡大し、高待遇で迎える企業が増加しているとの調査結果を発表しました。
これは、深刻な人材不足によって、RPAを活用した業務効率化のニーズ高まったことによるものです。
同社が運営する求人検索エンジン「スタンバイ」に登録されている案件・集計を分析したところ、2018年10月の時点で「RPA」に関する求人は前年同月比6.4倍の1,961件にものぼりました。
最高提示年収は破格の3,000万円です。
RPA人材は、「RPAエンジニア」「RPAコンサルタント」「RPA BPO(Business Process Outsourcing)」の3種類に大きく分けられます。
RPAの設計・構築・運用などを担当する「RPAエンジニア」の求人件数は556件、RPAを駆使した業務改善などを行う「RPAコンサルタント」の求人件数は698件、「RPA BPO」の求人件数は192件でした(2018年10月時点・求人検索エンジン「スタンバイ」掲載求人より)。
株式会社富士キメラ総研によると、RPAツールの国内市場規模は2022年度には315億円になると予測されています。
この予測からも、RPAに関するスキルや経験を持つ人材、すなわち「RPA人材」へのニーズが高まっていることが分かります。
- RPA人材の役割
RPA人材の役割は、RPAを「構築」「導入」「メンテナンス」することです。
すなわち、業務効率化できるRPAを構築し、適切に導入、継続的に運用できるようにする手助けをします。
RPAは、導入後も常にメンテナンスを行っていく必要があります。
「構築」「導入」「メンテナンス」すべての役割を1人が担うのではなく、各分野に適したRPA人材が担当します。
一言にRPAエンジニアといっても、難易度の高いRPAのプログラムを組むエンジニアや簡単なRPAを組む現場担当者など、担う役割が異なるからです。
難易度の高いPPAは、大企業が導入しているサーバーサイドで動くRPAがあげられます。
これは、大規模プロジェクト向けのシステムを構築する仕事です。
この場合、ネットワークの知識など専門的なプログラミングの知識を求められます。
RPA業界に限らず、IT系では複数の言語プログラミング言語を身につけていると、より活動範囲が広がり、収入も高額になります。
一方、簡単なRPAを組む仕事は、RPAツールを活用する仕事です。
RPAは常にメンテナンスしなければならないとはいえ、その都度ハイスキルのエンジニアに依頼するのは高額になるため、日々の運用やメンテナンスが簡易で現場担当者が自作できるRPAを導入する企業も増えています。
また、RPAを導入しただけで業務が軽減されるわけではないため、業務改革を一緒に進めるRPAコンサルタントの役割も重要です。
RPAコンサルタントは、コンサルティング先の業務でRPA化できそうなものを提案したり、RPAの作り方をバックオフィス部門へ指導したりします。
そして、RPAの普及に伴い、エンジニアやコンサルタントだけでなく、RPAを指導する仕事も増加しています。
今後、RPA人材の役割はより多様化していくのではないでしょうか?