
RPAの導入で失敗しないためには、どのように改善すれば良いのでしょうか?
手順①:業務整理&運用計画
RPAを導入するにあたって、最も重要なことが計画です。
そのため、導入を検討する段階で、業務整理と運用計画を行いましょう。
まずは、日々の業務の中で自動化したい作業をピックアップします。
全体の定型業務に関して、作業効率が悪いものを洗い出します。
導入効果や採算などは考えずに一通り並べてから、変化のある業務や複雑な業務は避けてRPAを導入できる業務を絞り込みましょう。
次に、業務における課題を見つけることも重要です。
例えば、煩雑な作業の解消、正確性の向上、人手不足の解消、労働時間の縮小などが挙げられます。
この時に、現場で業務に就く従業員にヒアリングを行うことで、効果的にRPAを導入できます。
最後に、RPAを導入する業務と運用の進め方を計画し、達成目標を決めておきましょう。
運用計画はスモールステップで徐々に行い、ノウハウを蓄積したうえで広範囲にRPAを適用していくことをおすすめします。
手順②:ツール選定
自社の目的に合うRPAツールを選定しましょう。
一口に「RPA」といっても、多くのRPAツールが各社から提供されています。
また、RPAのシステムには「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3つがあるため、特徴を理解して選ぶようにしましょう。
- デスクトップ型
PC内で稼働するため、各PCにおける作業に限り担当者レベルで管理するタイプです。
そのため、大量のデータを処理するのは困難というデメリットがあります。
しかし、小規模での導入がしやすいというメリットがあります。
- サーバー型
サーバー上で稼働するためさまざまな業務を一括管理でき、全社レベルで管理できるタイプです。
サーバー上で100体以上のロボットを稼働させることができるため、大量のデータを処理することが可能というメリットがあります。
特性を踏まえると、将来的に大規模展開を検討する企業に適しているでしょう。
ただし、デスクトップ型に比べて初期費用が高いというデメリットもあります。
- クラウド型
クラウド上のサーバーで稼働するため、自社内にサーバーを構築する必要がありません。
そのため、比較的低コストで始められるというメリットがあります。
しかし、業務データをクラウド上にアップするため、他のタイプに比べてセキュリティの課題があります。
また、自動化できる作業がWeb上の作業に限定されていたり、多くの制約があります。
このように各RPAツールには特色があります。
例えば、「大量高速処理に適したツール」「細かい作業に適したツール」「エンジニアに適したツール」「現場活用に適したツール」などです。
各RPAツールの特徴を踏まえて、自社の業務改善に最適なものを選びましょう。
手順③:テスト運用
RPAは即戦力の人材ではなく、新人社員と捉えましょう。
新人社員には、研修期間やOJTが必要です。
同様にRPAを導入してもすぐに完璧な状態は目指しません。
そのため、テスト運用が必要なのです。
まずは、これまで人が行っていた作業を標準化します。
担当者ごとに判断基準や作業方法が異なっていたものを標準化して、RPAが一定のルールのもとで稼働できるようにするのです。
その後、RPAを試験的に稼働させ、気になる部分や不具合などを見つけてRPAの課題を洗い出します。
そのうえでテスト運用を行った結果を踏まえて、導入範囲などを見直しましょう。
また、テスト運用の過程の中で、RPAを運用する従業員に向けてマニュアルを作成し、RPAの操作方法などの研修を実施し、本格的な導入に備えます。
このように、本格導入までは、RPAの運用・チェック・調整を何度も繰り返しましょう。
手順④:運用方法改善
RPAは、本格的に導入したら終わりではありません。
運用中は、保守・運用・改善が必要です。
保守とは、メンテナンスを指します。
定期的なメンテナンスによって小さなミスやエラーを適宜改善することができ、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
その他にも、RPA導入効果の検証も定期的に行いましょう。
導入における総コスト・データ処理量・エラー件数・残業時間の推移・従業員のモチベーションの推移など、多角的に、効果を検証すると望ましいです。
結果をもとに、改善が乏しい内容にフォーカスしてロボットを改善することで、RPAの業務自動化による恩恵を最大限に活かすことができます。
手順⑤:定着化
最終的には、社内全体にRPAの運用を定着させましょう。
RPAは特別な知識や技術を必要としませんが、初めて導入する際には従業員に負担がかかります。
導入するメリットを感じることができなければ、活用しない従業員が多くなり、社内に定着しない可能性もあります。
RPAの導入失敗という事態を避けるためにも、導入後は従業員へのサポート体制を整えましょう。
具体的には、運用チームの結成・サポートシステムの活用・RPAの活用情報の共有などが挙げられます。
運用からサポートまで行えば、RPAの効果を最大限に発揮させることができるでしょう。